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立教通り皮フ科形成外科

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アトピー性皮膚炎

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アトピー性皮膚炎はツルツル、モチモチのお肌を目指せる時代になりました。

アレルギー的素因は全く消し去ることは難しいですが、近年、新しいタイプの治療薬が発売になり、治療ゴールの寛解(ツルツル、モチモチ)を維持することができる疾患になってきました。

アトピー性皮膚炎の発症は生後数ヶ月、幼稚園の時、成人してからなど年代によって大きく分けられます。
生後数ヶ月で発症する方はまず皮脂欠乏を補うための治療をし、症状によっては薄いステロイド剤を用いることもあります。
気を付けてケアしていれば、1歳頃になると寛解する方が多いように思います。離乳食時からアレルギーを誘発しやすい食物の除去などを指導し、1歳を過ぎても症状の悪化がみられるようであれば血液検査でアレルゲンチェック(何がアレルギーの原因になっているのか調べる)を行うこともあります。
幼稚園の頃に発症する方が一番多いように思います。血液検査でアレルゲンを調べ、食物やハウスダストなど回避できるものは避けるようにします。皮脂欠乏は外用剤で補うことが出来ますが、上昇した抗体価(アレルギーを起こしているものに対して体が反応し上昇するもの)は外用剤の塗布のみでは改善しません。
小児の時期に積極的治療をすることでアトピー性皮膚炎以外の食物アレルギー等、アレルギー疾患も改善する可能性があります。
良い状態に積極的に持っていき、そこから悪化をしないように維持療法をすることが大切です。維持療法を根気よくすると第2次成長期のころに寛解する方が多いです。ホルモンバランスと、免疫機構がしっかりしてくるからでしょう。成人してからの発症は幼少時に小児喘息があった、よく皮膚科に通っていた記憶があるとおっしゃる方が多いです。初発というよりはアレルギー的な素因が、季節の変わり目で体調を崩したり、一人暮らしを始めたり、就職、転職などで環境が変わりストレスがかかった時に再燃していると言えます。
ストレスの回避は難しいですが、いったん激しく出た症状は治療ですぐに改善することは出来ます。しかしその状態を維持することが重要かつ忙しい年代の方にとって難しくなります。
2~3年ほどで再燃(再び悪化すること)を繰り返すことが多いので根気よい維持療法をお勧めします。またデュピクセント※の自己注射による治療のご指導もしております。症状を評価するスコアを使われるケースが多く、ADCT(Atopic Dermatitis Control Tool)というスコアでは簡単な6つの質問に答え、スコア化して病気のコントロール状況を確認していきます。スコア6点以下を目指して治療をしていきます。
ライフスタイルと年齢によってもっとも効果的な治療を考えています。かゆいのは時には痛いこと以上に辛いことと思います。
お話をゆっくり伺いサポートするので心配しなくて大丈夫です。

※デュピクセントとは
デュピクセントは抗体医薬品です。アトピー性皮膚炎(皮疹、かゆみ)の原因はIL4、IL13(IL:インターロイキン)という2つの伝達物質を中心に発症します。
この2つの物質だけをピンポイントで抑える、皮下に注射する薬剤です。注射の間隔は2週間に1回(小児においては体重によって4週間に1回投与の場合もあり。)在宅自己注射もできますので安定すれば3ヶ月に1回の来院も可能です。
薬剤費用についてはある程度かかりますが、様々な医療制度を活用することで費用を1/2、1/3に抑えることも可能な場合があります。
外用薬で治療しても寛解(ツルツル、モチモチ)のお肌まで治っていない場合はお勧めのお薬です。
対象は、外用薬を6ヶ月塗っても十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者さんです。